飲み込みに違和感があるってどういうこと?

飲み込み

エイジング(50代以降)すると、飲み込みに違和感を感じることがあります。
食べ物を口で噛んで、食べ物を飲み込み、喉から食道に送り込むことを「嚥下(えんげ)」といいます。嚥下(飲み込み)は食べるしくみのなかでも重要なプロセスです。

食べ物を飲み込む仕組み

食べ物がお口の中に入ると、口の中で食べ物を咀嚼します(準備期)。
咀嚼した食べ物の塊を舌を使って喉の奥に運びます(口腔期)。
「飲み込むときに使う喉の筋力により、咽頭通過し、食べ物が食道に入ります(咽頭期)。
食べ物は食道から胃へと運ばれます(食道期)。

飲み込みの違和感は初期段階で機能のケアを行っていきましょう。

エイジングしてくると、全身の筋力が低下し、飲み込むときに使う喉の筋力も落ちてきます。口から食べられているから飲み込みに問題がないとは限りません。むせたり咳き込んだりすることが増えてきた場合は、のどの筋力が低下しているサインなのです。また、唇を動かす機能がうまく働かなかったりすると、唇を閉じられず、食べ物が口からこぼれることもあります。顎や舌の動きが悪くなると、うまく噛めず、食べ物を喉から食道へ送り込む準備ができなくなることがあります。

飲み込みの違和感は、誤飲性肺炎などの病気につながることもあります。

誤嚥性肺炎とは

喉から食道に行くはずの食べ物が気管に入ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいます。「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」は、この誤嚥によって起きる肺炎です。
肺炎には、誤嚥性肺炎とその他の肺炎がありますが、両方合わせると日本人の死因の第3位になります。中でも、高齢になると誤嚥性肺炎の割合が増えます。
気管に食べ物が入ってしまったとき、通常はむせて、食べ物や唾液を気管の外に出そうとします。ところが、飲み込みに問題がある人は、気管に食べ物が入ってもむせないことがあるため、誤嚥性肺炎になりやすくなります。

口腔機能低下症の検査を受けてみませんか?
(50歳以上が対象です)

口腔機能低下症(オーラルフレイル)とは?

口腔機能低下症(オーラルフレイル)の危険性を知っていますか?

歯が残っていても、舌や唇の力、飲み込む力、唾液量などお口の機能が衰えていると咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)、発声、唾液分泌などの機能が低下し、食事時にこぼす、むせる、活舌が悪いなどの症状がでてきます。
※低下した機能はトレーニングで改善されます。
大きな問題点は、多くの人は自覚症状がなく見過ごされがちなことです。
50代では48%、60代は60%以上が口腔機能低下症に該当しているという調査報告があります。

オーラルフレイルのチェック項目

  • 飲み物を飲むときにむせることがありますか?
  • 普段の会話で言葉をはっきりと発音できないことがありますか?
  • 口の渇きが気になりますか?
  • 最近硬いものが食べにくくなりましたか?
  • 食事時にこぼすことがありますか?

口腔機能は健康か?低下しているか?の検査
(保険適用)(検査時間10分)

専用の機器を使用して、咀嚼機能や咬合力など7項目の検査で測定します。検査は保険診療内で可能です。(3割ご負担の人で2000円以内)

口腔機能は問題ないか?低下しているか?のための検査(保険適用)
口腔機能は問題ないか?低下しているか?のための検査(保険適用)
口腔機能は問題ないか?低下しているか?のための検査(保険適用)
口腔機能は問題ないか?低下しているか?のための検査(保険適用)
口腔機能は問題ないか?低下しているか?のための検査(保険適用)
口腔機能は問題ないか?低下しているか?のための検査(保険適用)

口腔機能低下症の診断基準

口腔機能低下症の診断基準

口腔機能低下症の診断は、以下の7項目のうち3項目以上に該当する場合です。
その場合は、低下項目のトレーニングを立案します。

  • 口腔衛生状態不良(舌苔の付着程度)
  • 口腔乾燥(唾液分泌量の低下)
  • 咬合力低下(奥歯のかむ力の低下)
  • 舌口唇運動機能低下(舌や唇の動きの低下)
  • 舌圧低下(舌の筋力低下)
  • 咀嚼機能低下(食べ物をすりつぶす能力の低下)
  • 嚥下機能低下(飲み込む力の低下)

※歯科医院で検査することで、口腔機能低下症の診断が可能となります。早期発見・早期対策が重要です。

口腔機能低下症と全身の健康との関連性

①健康寿命が短くなる可能性あり

全身フレイルを悪化させるため、健康寿命が短くなります。
咀嚼機能の低下により、食事量や食品の選択が制限され、栄養不足やフレイル(虚弱)のリスクが高まります。

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②誤嚥性肺炎のリスク増加

嚥下機能の低下により、食べ物や唾液が気管に入りやすくなります。

③認知機能への影響

咀嚼による脳への刺激が減少し、認知機能低下のリスクが高まります。

④心血管疾患との関連

口腔内細菌が血流に乗って全身に広がり、動脈硬化や心内膜炎のリスクが高まります。

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⑤糖尿病、高血圧との関連

  • 口腔機能低下と糖尿病は相互に影響し合い、症状を悪化させる可能性があります。
  • 服薬の見直し、口腔乾燥を引き起こす薬剤の調整など
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口腔機能低下症と全身の健康との関連性

いくつになってもすこやか生活をするために。健やかな身体と健やかなお口の機能を手に入れましょう。

口腔機能低下症の対策と改善方法

①食事

良質なたんぱく質を摂取する。タンパク質不足になると、筋肉が衰えてフレイルに陥りやすく、運動・認知機能が低下しやすくなります。
よく噛む(1口30回)

②身体運動を継続する

よく歩く/簡単な筋肉トレーニングを行う。
なるべく徒歩で出かける。階段を積極的に上り下りすることなどを意識して行う。

③歯を大切にする

歯のセルフケアを毎日きちんと行う+歯科医院でのメンテナンスを続ける。(50代までのオーラルケア習慣が将来のお口の状況を作ります)

④口腔機能を改善するトレーニングを毎日行う

例;口腔体操(あいうべ体操、パタカラ体操)、舌や頬、唇の運動を定期的に行う。
唾液腺マッサージを行い、唾液の分泌をよくする。
嚥下体操(誤飲性肺炎の防止)、舌を上にもっていくスポットトレーニング。など。

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